CPIは『消費者物価指数』、PPIは『生産者物価指数』です。そして、CPIとPPIは密接な関係性があります。それが、以前Twitterで紹介した下記画像です。
CPIとPPIは、消費者と生産者という区別がされていますが、どちらも物価指数を表す経済指標です。現代社会では物価の変動は生活に大きな影響を与えています。
日本でも、物価が上昇した事によって生活が苦しくなった人も多いのではないでしょうか?
このように、物価を表す経済指標は国の経済状況や生活状況に深く関係性があるので、国や企業・投資家などから注目されています。
CPIってなに!?
CPIはConsumer Price Indexの略です。消費者物価指数と呼ばれ、消費者が購入するモノやサービスの値段を各国が定める基準値を元にした計算式で変化率が算出されます。
つまり、CPIは消費者が実際に物やサービスを購入する値動きを表しています。
具体的には、食品や衣服、住宅、交通費、医療費など、消費者が日常的に利用する商品やサービスを数百種類に対して調査を行います。
CPI発表時には、CPIと名がつくものがいくつか発表されます。どれを見て良いのかわからないと思いますが、基本的には全ての数値に目を通しましょう!
米国を例に挙げると、発表時には
- コアCPI(前月比)季調値
- コアCPI(前年比)原数値
- CPI
- CPI(前月比)季調値
- CPI(前年比)原数値
というように発表されます。これを見て『コア』『季調値』『原数値』の3つに疑問を感じる人も多いかと思います。ひとつずつ説明します。
コア
コアCPIは、食品やエネルギーを取り除いたCPIという意味です。食品やエネルギーは価格変動が激しいため全体の価格変動に影響を与える為です。
ですのでコアCPIは、価格変動の激しい食品やエネルギーを除いているので、ある意味では正しい価格変動を見る事が出来ます。
原数値
原数値は、季節的な変動等を考慮せずに全てを含めた変動数値になります。
季調値
季調値は、季節的な変動を除いた数値の事です。夏にはエアコンが売れ、冬にはストーブが売れるなど季節的な上昇を除いた数値です。原数値は何も関係なく計算されるのに対して、季調値は季節的な変動を除くので正確性の高い数値になります。
コア・原数値・季調値を踏まえると
先ほどの表を使って、コア・原数値・季調値を踏まえて考えると
- コアCPI(前月比)季調値(食品やエネルギー・季節変動を考慮した数値)
- コアCPI(前年比)原数値(食品やエネルギーを除いた、季節変動を考慮しない数値)
- CPI(基準値を100として、比べた数値)
- CPI(前月比)季調値(季節変動を考慮した数値)
- CPI(前年比)原数値(全て含めた、季節変動を考慮しない数値)
というような考え方が出来ると思います。
PPIってなに?!
PPIはProducer Price Indexの略です。生産者物価指数と呼ばれ、生産者から販売者へ売られる物価変動です。
つまり、PPIは企業や生産者が製造や生産に必要な原材料やエネルギー、輸送費などの価格変動を反映していると考えられます。
PPIの算出方法は、10,000品目を対象に価格変動を算出し発表されています。発表時にはCPI同様に価格変動の大きい食品やエネルギーを除いた『コアPPI』の発表もありますので、各数値に注目しましょう。
CPIとPPIの関係性ってなに?!
CPIとPPIは、生産者と購入者という密接な関係性があり、関係性を図にすると下記の様な考えをすることが出来ます。
実際に企業や販売者は、仕入れた金額に対して利益が出るような価格設定を行わないと赤字になります。商品を宣伝する販管費や人件費などを考慮して消費者に販売するので、PPIが高くなればCPIも高くなる可能性があります。
実際に米国のCPIとPPIの過去5年間の推移グラフを見てみましょう!
上がCPIで下がPPIですが、推移的には同じような推移で変動しているのがわかると思います。このようにCPIとPPIは密接な関係性がある事はわかって頂けたのではないかと思います。
まとめ
CPIは消費者が購入する商品の価格変動を示し、インフレーション率の算出などに利用されます。
一方、PPIは企業や生産者が使用する原材料やエネルギーなどの価格変動を示し、企業の経済活動分析や将来の消費者物価指数の変動予測をすることが可能です。
物価の変動は経済状況や生活状況に関係性の高い指標ですので、株価や為替へも大きな影響を与える事は間違いありません。